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好調な米小売売上高をどう受け止めるか迷う市場

2023年10月18日

9月の米小売売上高が好調だったことで、市場がどう反応すべきか混乱が生じた。結果は0.7%と予想の0.3%を上回り、8月に記録した0.8%増にはわずかに届かなかった。一方では、この好結果は米国経済が予想以上に堅調であることを示す証拠となった。しかし他方では、世界最大の経済大国である米国経済の底堅さが続いていることから、FOMCは金利に関して常に注意を払う必要があり、さらなる引き締めの可能性は依然として高い。

このデータを受けて、ウォール街の株価はまちまちの動きとなり、米国の主要株価指数は水曜日のアジア市場にとって明確な方向性を示さなかった。しかし、債券市場では利回りが上昇を再開し、10年債利回りは4.84%に達した。国債利回りの上昇から、債券市場は株式市場よりも、金利がこれから上昇する可能性があると確信している。FOMCが今後数カ月、金利政策に関してどのような動きを見せるか、どちらの市場が読みやすいかは時間が解決してくれるだろう。

FX市場では、DXY(ドルインデックス)は小売売上高に無関心に反応し、106.30レベル付近で堅調に推移した。為替市場では、RBA(中央銀行)議事録が穏やかなタカ派的な内容であったことから、AUDUSDが上昇した。

一方、米ドル円は注目される150円台まであとわずかというところまで迫っており、日本の当局が苦境にある円を支えるために介入する兆しを誰もが待っている。全体的には、利回りの上昇と堅調なマクロ・データがドル高を後押ししており、為替市場では米ドルが依然として優勢である。

金は先週、中東の紛争による安全資産として再び上昇した。貴金属は1930米ドルの下で取引されており、イスラエルとハマスの紛争が拡大したり、エスカレートしたりする兆候があれば、リスク回避の動きが強まり、金をポートフォリオに加える買いが増える可能性がある。直近24時間では、債券利回りの上昇が金相場のさらなる上昇を制限しているため、金は上昇を固めている。

現在のもうひとつの大きな焦点は、米国の第3四半期企業決算だ。期待値のハードルはかなり低く設定されており、これまでのところS&P500の80%以上の企業が予想を上回っている。とはいえ、この傾向が続けば、米国経済の「ソフトランディング」説に拍車がかかるだろう。しかし、企業セクターが現在の高金利時代をどのように乗り切っているかを見極めながら、残りの決算シーズンがどうなるかを見てみよう。

今週予定されているテスラとネットフリックスの決算は注視され、投資家は中東の動向にも注目するだろう。そしてもちろん、債券利回りは、特に11月上旬の次回FOMCが近づくにつれ、トレーダーの高い関心を引き続けるだろう。これらの要因は、今週の残りの市場センチメントの潜在的なドライバーとなる。

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