2024年辰年の市場動向を左右する3大イベントは、戦争、選挙、金利である。
2023年12月31日時点の世界保健機関(WHO)の統計によると、世界の新規コビッド-19感染者数は6,900万人未満で、2021年の2億人、2022年の4億2,000万人に比べて大幅に減少した。1月だけで5,000万件近い症例が発生しており、この年の大半はCovid-19が世界の経済活動に及ぼす直接的な影響が大幅に減少した。2024年には、世界の経済活動はパンデミック以前のレベルに完全に戻ると予想されている。パンデミックの面では見通しは明るいものの、ウクライナとロシアの紛争、イスラエルとハマスの紛争、世界の中央銀行の利上げなど、地政学的な緊張や重要な出来事が投資家を慎重にさせ、経済の完全な回復を妨げている。新年を迎えるにあたり、より良い戦略展開のために、市場における重要な出来事やニュースに注意を払うことは極めて重要である。
地政学的状況を見ると、ウクライナ・ロシア紛争は勃発から710日以上続いており、春の訪れとともに事態が打開されるかどうかが重要である。中東紛争については、その範囲が他地域に拡大するかどうかに注目する必要がある。米国の格付け会社ムーディーズは最近、イスラエルの格付けをA2に引き下げた。これら2つの地域紛争の状況は、原油価格に直接影響するだけでなく、世界の投資家のリスク回避の引き金となっている。特に、ユーラシア大陸と紅海、ホルムズ海峡を結ぶ海上ルートが影響を受けている。より多くの大型コンテナ船が喜望峰を迂回することを選択しており、これは移動時間に影響を与えるだけでなく、このような変化が予測不可能な連鎖反応につながるのではないかという懸念を投資家に抱かせている。このような緊迫した状況に直面し、金価格は11月下旬以降2,000ドルを超える水準で推移している。この緊張が他の地域にも拡大すれば、市場のリスク回避姿勢はさらに強まり、商品価格は高騰するだろう。
活発な戦争とは別に、2024年は世界的にさまざまな規模の選挙が行われ、4つの大きな選挙が国際的な注目を集める。1月の台湾総統選挙は台湾海峡情勢に直接影響し、中国と米国の権力闘争に間接的に影響を与える。3月のロシア大統領「選挙」は、プーチンの再選が予想されるものの、ウクライナ・ロシア戦争がこのまま膠着状態に陥るか、ロシアにとって不利な方向に転じれば、ロシアの統治政策が変更される可能性があり、欧州全体の政治・経済の軌道に影響を与える。4月と5月に行われるインド議会選挙は、最近の中米貿易摩擦の中で、中国の影響力と経済成長のバランスをとるというインドの戦略的価値により、世界的な注目を集めている。
目玉はもちろん年末のアメリカ大統領選挙だ。賛否両論あるトランプ候補の出馬は依然不透明だ。米国社会で深まる格差は、次期大統領が国際的緊張に効果的に対処する妨げになる可能性があり、投資家はこうした動きを注意深く見守る必要がある。
経済面では、2023年の主要株式市場は好調に推移し、日経平均株価は円安を考慮しないものの、30%の伸びでトップとなった。S&P500種株価指数は24.5%、ユーロ・ストックス50種株価指数は17.3%上昇し、世界の投資家の楽観論を反映した。この好調な勢いが来年も続くかどうかは、前述の戦争や選挙といった要因だけでなく、世界的な金利の方向性にも左右される。金利は日常生活において重要な役割を果たし、普通預金金利や住宅ローンの毎月の返済額に影響を与える。2023年末にかけて、米国連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに転じる可能性を予想し、米国以外の通貨は力強い反発を見せた。2022年に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ昂進に対抗するために大幅な利上げを実施したことを考えれば、この予想は妥当である。インフレ率が鈍化し、住宅ローン返済額の増加による経済的圧力が高まっていることから、連邦準備制度理事会(FRB)はさらなる利上げが経済成長に及ぼす潜在的な悪影響を考慮する必要があるかもしれない。
要約すると、不測の事態を除けば、2024年にはコヴィド19のパンデミックから世界が完全に回復すると予想される。経済見通しはおおむね楽観的だが、地政学的な出来事、進行中の2つの紛争、いくつかの重要な選挙が、予期せぬ「ブラック・スワン」現象につながる可能性がある。投資家はこれらの動向を注意深く監視し、適時、十分な情報に基づいて投資判断を下すべきである。
簡単な3つのステップで!
基本情報の入力
必要書類のアップロード
MT4/MT5口座を開設する