今週は中央銀行の会合が中心で、金融市場はFOMC、BOE、BOJが現在から年末にかけての世界の金利情勢について空白を埋めてくれることを期待している。FOMCが最初に行われ、米国の中央銀行がインフレ率の低下と製造業の不振に注目すれば、9月の利下げが近づいているという微妙なヒントが得られるかもしれない。しかし、直近のGDPデータの上昇と、依然として健全に見える雇用市場は、FRBに慎重な姿勢を維持する正当性を与える可能性があり、そのため市場は推測を続けることになる。金融市場では9月の利下げは完全に織り込み済みだが、大きな問題はその後だ。そのため、ジェローム・パウエルの記者会見では、FRBが現在から年末までの間に何回の利下げを視野に入れているのかを確認するため、行間を読もうとする試みが多くなるだろう。
今月のFOMCは据え置きが予想されているが、BOE(イングランド銀行)とBOJ(日本銀行)の会合では状況が異なる可能性がある。BOEの場合、利下げか据え置きか、日銀の場合、利上げか据え置きかは、せいぜいコインの裏表のようなものだからだ。日銀の場合、今月の利下げの論拠は、消費者物価指数(CPI)が2%と目標に大きく近づいていることだ。反面、サービスインフレがまだ抑制されておらず、そのため今後のCPI全体に上振れリスクが残っていることから、今月は据え置くべきだ(代わりに8月に利下げを行う可能性もある)という議論もある。
日銀会合も同様に、おそらく論争の的になるだろう。今週、日銀が積極的な利上げに踏み切る可能性があると囁かれていることが、円相場を大きく動かしている。また、日本の最新の消費者物価指数(CPI)が過去のトレンドを大きく上回っていることを見れば、(3月の利上げ後)再び利上げを行う機は熟しているという議論も成り立つ。しかし、GDP成長率が依然低迷していることや、実質賃金の伸び悩みによってインフレが再び下振れする可能性があることを懸念する向きもある。
全体として、今週は中央銀行の会合が目白押しで、金融市場に新たなボラティリティが加わる可能性がある。特に、主要なプレーヤー間(つまり中央銀行間)で政策の相違が見られる場合はなおさらだ。
FXでは、ドルインデックス(DXY)は104.50レベル付近で底堅く推移しており、ここからの乖離はおそらく、FOMC後のハト派的かそうでないかによるだろう。金は数日間低迷した後、なんとか2400ドル台を回復した。FRBのトーンが今週の金と米ドルの動向を占うことになり、両資産は金利軌道についてどのようなガイダンスが示されようとも、反対の反応を示す可能性が高い。金の短期的な注目レベルとしては、2439ドルとさらに先の2474ドルがレジスタンスとなり、サポートは2388ドルと2366ドルに位置している。
その他では、中国の需要が軟調に推移しているとの懸念が原油相場を圧迫している。今週、イスラエルとヒズボラの間で緊張と行動が激化しているが、原油市場はほとんど反応していない。この動きが今後も続くかどうかは、まだわからない。
中央銀行総裁会議が終わると、週明けの締めくくりとして米国の非農業部門雇用者数(NFP)が発表される。通常、NFPの発表は賑やかなイベントだが、FRB理事会の直後に発表される場合はなおさらだ。もしFRBがハト派的で、その後に雇用統計がホットな数字となれば、金利情勢に一石を投じる可能性がある。これはひとつのシナリオに過ぎない。さて、どうなることやら。
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