この1週間で2度目となる格付け会社からのニュースが市場を動揺させた。ムーディーズは米国の地方銀行の格付けを引き下げ、これは先週のフィッチによる米国格付けの引き下げに続くものだった。どちらも歓迎すべき事態ではなかったが、3月に起きた地方銀行の危機の後では、特に青天の霹靂というわけでもなかった。
また、格付け会社には、このようなことになると少し出遅れるという実績がある(例:GFC)ので、先週格付け会社自身が発表したニュースが必ずしも長続きしないマイナスの影響を与えるとは思わない。それよりも重要なのは、銀行やその他のセクターが下半期にどのような業績を上げるか、またその過程でFRBがどのように金利政策を管理するかである。
中国の最新のインフレ・データは、景気好転の確信を抱かせるものではなかった。中国消費者の自信と消費意欲の欠如は、本日発表されたCPIとPPIが再びマイナスとなったことで証明された。7月CPIは予想(-0.3%、予想-0.4%、前年比-0%)を若干上回ったが、7月PPIは予想(-4.4%、予想-4%、前年比-5.4%)を下回った。
しかし全体的に見れば、今日発表されたインフレ・データは、中国が依然として世界的な成長の観点から懸念材料であることを示す、さらなる証拠となった。データは確かに良くなかったが、北京から直ちに新たな刺激策を求めるほど悪かったのだろうか?今年に入ってからの中国当局の慎重な姿勢からすれば、そうではないかもしれないが、時間が解決してくれるだろう。
中国の消費者物価指数(CPI)はマイナスとなったものの、予想値をわずかに上回ったため、リスク資産はこの数字に対する直後の反応は鈍かった。通常、中国のデータに対する反応を読むのに良いバロメーターである豪ドルは、発表後0.6540米ドル付近で安定していた。米国債利回りが若干低下したにもかかわらず、DXYが102.50レベル付近で取引されていることからもわかるように、米ドルは現在も為替トレーダーに好まれている。
原油は、中国のインフレ・データにはほとんど反応しなかったが、これは、CPIが予想をやや上回ったものの、PPIが悪化したため、数値がややまちまちであったことを反映している。前24時間、原油は弱い中国貿易統計を受けて下落したが、米EIA(エネルギー情報局)の明るい見通しが再び相場を押し上げた。短期的なテクニカル指標は伸び悩んでいるようで、7月の猛烈な上昇に比べると勢いは弱まっている。
一方、金相場はグリーンバックの強さを前に、上昇に転じるのが難しい状況にある。アジア取引時間中、金価格は1928米ドル台で取引され、100日移動平均線と50日移動平均線の両方を下回っている。セーフヘイブンの流れが依然として掴みにくい中、貴金属が上昇に転じるには、米ドルの下落に頼ることになる。
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