ジャクソンホールでのイベントが目前に迫り、中央銀行関係者が待ち望んでいたこの会合から生じる可能性のある金利への影響を考えると、市場は当然ながら確信に欠けている。パウエル議長はおそらく、先週のFOMC議事録で示されたタカ派的な方向性から大きく外れることはないだろう。
というのも、ハト派的な方向転換は、今後年末までの間にディスインフレの進行が停滞した場合、市場を誤った安心感に誘う可能性があるからだ。インフレ率が低下傾向を続けるのではなく、現在の水準で推移するようなシナリオでは、FRBはもう1回の利上げの引き金を引くことになるかもしれない。いずれにせよ、年内のインフレ動向はまだ不透明であるため、FRB議長はさらなる引き締めという選択肢を袖にしまっておきたいだろう。
株式市場では、来るエヌビディアの決算が、ハイテク・セクターだけでなく、より広範な市場のモメンタムにとって極めて重要な瞬間となりつつある。AIに後押しされた上昇は2023年の輝かしいストーリーのひとつであり、その主役はエヌビディアである。そのため、評判の高いこのチップ・メーカーの肩には、業績だけでなく見通しに関しても、再び成果を出す重荷がのしかかっている。
為替市場では、ドルインデックス(DXY)が数ヶ月ぶりの高値を更新するなど、グリーンバックの上昇が続いている。水曜日のアジア市場時間中、DXYは103.50近辺で取引されていた。米国債利回りは急低下する兆しを見せておらず、この国債利回り高騰環境がグリーンバックの支えとなっている。国債利回りが現在の水準にある理由については、その一部はFRBの見通しによるものだが、中国経済の問題も10年債利回りがGFC以来の水準にある一因となっている。
BRICS首脳会議では、ドル化の傾向を示唆する言動があるかどうか、市場は注視するだろう。今年の大半は、BRICSが共通通貨を形成する可能性があると大騒ぎされたが、そのような計画は今のところ後回しにされているようだ(共通通貨のアイデアは公式議題にはなっていない)。
米国債のような低リスクの代替資産で比較的高い利回りが得られることを考えると、貴金属にとっては非常にゆっくりとした歩みである。一方、WTI原油は80米ドルを割り込んだ。米ドル高が進行していることもあり、原油の勢いは衰え始めており、中国の成長懸念も原油価格の重石となり始めている。しかし、供給面では、OPEC+の減産が依然として対抗軸となっており、原油価格を下支えしている。
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