マーケットニュース

関税の先行き不透明感から金が上昇

2025年2月19日

トランプ大統領は、米国と貿易相手国との間の関税の公平化に関して、包括的な意図を明らかにした。中国に対する関税水準の引き上げ(10%)については具体的な措置が取られたが、その他の米国の通商措置についてはまだ詳細が明らかになっていない(カナダとメキシコに対する25%の関税は一時停止され、鉄鋼とアルミニウムの関税は3月12日に開始される予定である。)  

予定されていた関税措置の実施が一時停止されたことで、米国と他国との間で水面下で交渉が行われる余地ができた。今のところ、正味の効果として、金融市場は「関税の宙ぶらりん」状態に置かれ、取引環境に不確実性の要素を加えている。これは望ましくない要素かもしれない。

このような経済背景の中、金は事実上の「関税不安」ヘッジとして機能している。金は史上最高値に手が届くところまで戻ってきており、スポット価格は水曜日のアジア取引セッション序盤に2935ドルで取引された。2955ドルが次のレジスタンスとして注目され、2884ドルがサポートとなる。世界の貿易情勢が依然不透明な中、貴金属の強気見通しが維持されている。しかし、米ドルの上昇トレンドが再開すれば、金の前進が鈍化する可能性がある。

関税引き上げの遅れや1月の米小売売上高が軟調に推移したことが重しとなったものの、ドルインデックス(DXY)は2ヵ月ぶりの安値圏から動き出した。DXYは107.46と107.86がレジスタンスとなり、106.62がサポートとなっている。成長率と利回り格差の力学は、対英ポンドと対ユーロでは米ドルに有利に働いているように見えるが、対円では話が違ってくる可能性がある。

今週の日本のGDPは予想を上回り、インフレ率も上昇した。現状では、2025年に日米の利回り格差が縮小し続けるという予想が、円を米国に対して比較的有利に保つ可能性がある。

ロシアの石油パイプラインが寸断されたことで、原油価格は上昇に転じたが、米ロ協議の開始とウクライナ戦争終結への道筋の可能性が、目先の上昇を制限する要因として作用する可能性がある。米国産(WTI)原油は71.75ドル台で取引され(水曜朝)、72.15ドルがレジスタンスとなり、次の73.38ドルが上値を守っている。サポートは70.50ドルに控えている。

アジアのハイテク株は、ディープシークの開発と、北京の民間セクターに対する基調の変化(今週、中国の習近平国家主席が民間セクターの起業家を対象としたシンポジウムで講演)により、2025年に活気を取り戻している。アジアのハイテク株のアウトパフォームは、投資家がこの地域をシリコンバレーに代わる有力な選択肢と見ていることを示している。

カスタマーサポート担当者

メールサポート

CS@kcmtrade.com

お問い合わせ

ライブチャット

今すぐ専門家にご相談ください!

チャットを開始する
営業日24時間以内にお問い合わせに回答
私たちの専門家から直接返信が届きます。
迅速で便利なサポート

今すぐ取引を開始

簡単な3つのステップで!

ライブアカウント登録