金融市場が金利見通しに過敏に反応し続けるなか、今週もインフレ指標が投資家の焦点となる。今週の金曜日に発表される米コアPCEは、FOMCが予想する利下げ時期に影響を与える可能性のある指標として注目される。2月のコアPCEが予想通り0.3%(1月の0.4%を下回る)となれば、FRBは6月に利下げを実施する可能性がある。しかし、今月すでに発表されたCPIとPPIの結果が強かったことを考えると、データの上方サプライズは否定できない。
オーストラリアも本日、2月の消費者物価指数(CPI)を発表する。先週、RBAは3月会合で金利見通しについて軟調なスタンスを採用した(金利は4.35%に据え置かれたまま)。2月のCPIデータが前月から一歩後退すれば、中央銀行がハト派的なトーンに転じたことを正当化することになる。
外国為替市場では、日銀のマイナス金利政策転換の余波を受け、円は苦戦を続けている。円、ひいては日本の当局にとって問題なのは、日銀が金融政策を転換して波紋を広げているにもかかわらず、日本の利回りは依然としてゼロに近く、そのため円は「キャリートレード」シナリオで好んで使われる資金調達通貨としてのマントを維持していることだ。その結果、円は米ドルに対して年初来安値に近い水準で取引されており、2024年に入ってから米ドルに対して7.5%近く円安が進んでいる。
原油は、供給懸念から1バレル=80ドル台で推移している。ロシアの製油所への攻撃により、エネルギー市場は短期・中期的な供給への影響を懸念しており、これがWTIとブレント原油の値動きを下支えしている。供給サイドの懸念に加え、市場参加者は、今年後半に主要国が利下げに踏み切る可能性にも注目している。このような需給面の力学が働いている間は、当面の原油市場には上昇圧力がかかるだろう。
コモディティ関連では、金は金曜の米コアPCEの発表を控え、2150~2200ドルのレンジで底堅い値動きを続けている。夜間のドルインデックスの緩やかな下落により、金は上昇に転じたが、より重要な動きは2月のコアPCEデータの結果を確認した後になる可能性がある。中央銀行による貴金属の買いと、FOMCやECBなどによる金融緩和への期待から、金の短期的なバイアスは上方である。
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