今週、債券利回りは急上昇しており、他の資産も神経質な取引をしている。国債利回りの上昇は、高金利が長期化するとの見通しを反映したもので、この見通しは金融市場のリスク選好度という点で、現在あまり芳しくない。そのため、金融引き締め政策が経済の成長見通しを抑制しているため、株式市場やその他のリスク資産は利益を得にくくなっている。また、国債利回りの上昇は、金利上昇がすぐには解消しない可能性が高いことを投資家に常に思い起こさせている。つまり、債券利回りの上昇がトレーダーにとって心理的な挑戦となっているのだ。
国債利回りは北に向かい、金価格は南に向かった。スポット金は1900ドルの水準をさらに割り込み、米ドル高も貴金属の魅力を低下させている。安全資産としての需要が回復しない限り、金が1900ドル台を回復するには、利回りの低下に頼らざるを得ないだろう。
FXでは、利回り格差が米ドルに有利なため、グリーンバックが依然として選択通貨となっている。DXY(ドル・インデックス)は今週、106ドル台へと急上昇した。米ドルが上昇しているため、他の通貨は下落し、債券利回りの上昇に支えられた。米ドル円レートは、日銀が介入の引き金を引く可能性がある150のレベルに危うく近づいている。しかし、日本の政策決定者にとっての頭痛の種は、こうした市場の動きは、特定の円安というよりも、むしろ米ドル高によって引き起こされるストーリーだということだ。言い換えれば、事実上すべての通貨が米ドルに対して損失を被っている。そのため、日銀が円高介入に踏み切れば、米国債利回りの勢いと真っ向から対立することになる。
その他では、WTIとブレントが年初来高値を更新するなど、供給力学が引き続き原油価格に有利に働いている。米国産原油在庫の減少が原油価格を押し上げる一方、OPEC+による継続的な供給削減が供給サイドを引き締めている。世界的な高金利の長期化は、将来の石油需要にとって問題となる可能性があるが、供給サイドの特質により、短期的には原油価格の上昇リスクが続く可能性がある。
中国のPMIデータは、景気後退がすでに底を打ったという兆候を示すかどうか、週末に注意深く見守られるだろう。しかし、当面は債券利回りの方向性が、市場のセンチメントを左右しそうだ。
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