2024年第1四半期があと10日足らずで終わろうとしている今、世界の株式市場は日経平均株価の目覚ましいパフォーマンスで彩られている。今年の日経平均株価は、3月4日に史上初めて40,000円の大台を突破し、40,109ポイントで取引を終えた。日経平均の過去最高値は、1989年12月29日の38,957ポイントまで遡る必要がある。1990年代、日本の株式市場はバブル崩壊後に急速に下落し、日経平均株価は2010年代までのほとんどの期間、20,000円台を割り込んだ。日本の株式市場が回復の兆しを見せ始めたのは2017年以降のことで、日経平均株価が25,000ポイントを超えたのは2020年11月のことである。この停滞期はしばしば「失われた30年」と呼ばれる。
実際、日本株式市場の目覚ましいパフォーマンスは今年始まったわけではない。2023年、日経平均株価は通年で28.2%の伸びを示し、ハイテク株やインターネット株を中心とするナスダック指数の43.4%に次ぐ伸びとなった。本稿では、日本の株式市場が過去30年間の陰りを振り払うことができた様々な要因について掘り下げ、日本株投資に関心のある投資家により実践的な参考情報を提供する。
2012年末にアベノミクスの「3本の矢」経済政策が導入されて以来、その大規模な量的緩和策によって円安が長期化している。2023年10月から11月にかけて、米ドルは対円で150円の大台を突破した。1990年代を彷彿とさせる歴史的な円安水準は、海外投資家にとって日本株式市場の魅力を高めている。昨年、「オマハの予言者」として知られるウォーレン・バフェット氏が2020年以降、日本の5大商社(住友、三菱、三井、伊藤忠、丸紅など)の保有株を集中的に増やし始めたことがメディアで報じられたが、このニュースは日本市場に対する海外投資家の関心を再燃させ、中国市場の代替市場として検討する向きさえある。近年、日本の株式市場が突出した業績を上げている最も大きな理由のひとつは、東京証券取引所が実施したコーポレート・ガバナンス改革である。この改革は、上場企業に対して評価と収益の向上を促すとともに、資本の有効活用ができない企業に対しては上場廃止措置をとるというものである。今年1月、東京証券取引所が初めて発表した企業の資本活用効率に関する検証報告書は、国際的な投資コミュニティから高い評価を受けた。
HSBCの最近のレポートによると、一部のオフショアヘッジファンドや海外ロングストラテジーファンドが中国株式市場に戻ってきている。しかし、この回帰が一時的な戦術的動きなのか、それとも長期的な戦略的転換なのかはまだ分からず、さらなる観察が必要である。中国経済と米中関係が改善しない場合、海外ファンドはアジア市場に代替機会を求め、日本株式市場の人気を維持する可能性がある。インドやベトナムなどの新興市場も投資家の関心を集めているが、日本市場は成熟度、国際化、透明性の点で優れている。
円に関して言えば、日本の低為替レートは、中央銀行が長年にわたって行ってきた超金融緩和政策とマイナス金利措置に基づいている。先日(3月19日)、日本銀行はマイナス金利政策の終了を発表した。円相場の当面の方向性は依然不透明だが、日本株はこれに対して大きな圧力を示していない。しかし、長期的には円安パターンの変化が予想される。海外投資家にとっては、株価の下落が通貨高によって相殺される可能性があることは注目に値する。日本経済については、全国労働組合総連合会(全労連)が15日、2024年春季労使交渉での平均賃上げ率を5.28%と発表し、1991年以来初めて5%を超えた。これは、日本における賃金と物価の正の循環が強まっていることを反映している。日本経済が長年にわたるデフレからようやく脱却した今、「インフレに対する投資」は日本国民にとって喫緊の課題となっており、これは日本の株式市場にとっても有益である。
これらの要因を考慮すると、日本株式市場の上昇トレンドは一時的なものではなさそうだが、4半期で20%の急騰は珍しく、短期的な利益確定やテクニカル調整の可能性を示唆している。従って、日本株に興味はあるがまだ行動を起こしていない投資家は、市場参入の準備をすることを検討してもよいだろう。
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