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インフレ・データを前に、市場は「時を刻む

2024年1月10日

リスク資産は2024年に向けて控えめなスタートを切っており、投資家はFRBの利下げ期待を先取りし過ぎないよう、マクロ・データが異なるストーリーを語り始めた場合に備えて注意を払っている。今後発表される米消費者物価指数(CPI)や米生産者物価指数(PPI)が軟調に推移すれば、ラリー再開の青信号が灯るだろう。しかし、インフレ率が「粘着性」の範疇に入れば、2024年にFRBが実施する可能性のある政策緩和の程度について、再考と再評価を促す可能性がある。このように、投資家は米消費者物価指数(CPI)データを前に「時間稼ぎ」をしている。

まだ始まったばかりだが、これまでのところ、債券利回りと米ドルは12月よりもはるかに良い月となっている。この上昇相場の一部は、2023年末に売り込まれた後の自然な反発であり、一部は先週のNFPの結果による勢いである。FOMCは今年金融緩和を行うと予想されているが、世界中の他の中央銀行もこれに追随する可能性があり、この潜在的なシナリオが利回り格差の観点から米ドルを下支えしている。10年債利回りがなんとか4%台を維持しているため、ドルインデックスは102.50レベル付近で調整モードとなっている。  

この米ドルの調整局面は、事実上、金価格にブレーキをかけた。スポット金取引は、2024年の高値である2060ドル超から反落しているが、その理由の大部分は、1月に入ってからドル高と債券利回りの両方が示した回復力である。水曜日のアジア取引時間中、スポット金は2030ドルで取引されており、2050ドルを超える可能性があるかどうかは、米ドルが現在の牽引力をある程度失うかどうかにかかっている。米消費者物価指数(CPI)が低調であれば、貴金属の上値が重くなる可能性がある。しかし、2023年に何かを学んだとすれば、それはインフレの道筋は直線的なものではないということであり、現在のディスインフレ率が維持されると決まったわけではない。

インフレといえば、本日発表されたオーストラリアの11月消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.3%となり、予想の4.4%、前月10月の4.9%から低下した。RBAにとって喜ばしいことに、インフレ率の上昇は年率ベースで2022年1月以来最も緩やかだった。この11月消費者物価指数の結果は、RBAによる2月利上げの「据え置き」に拍車をかけるものだが、中央銀行は今月末に発表される12月四半期消費者物価指数で低下傾向が確認されるのを待つことになるだろう。AUDUSDレートは、このデータに対する反応は鈍く、0.67レベルぎりぎりで取引を続けている。

原油相場は、地政学的な緊張や紅海海運の動向に左右される展開が続いている。サウジアラビアがアジアの需要家に提供する価格を引き下げたことで、若干の弱さが残っているものの、リビアの油田障害に関するニュースで、原油価格は一夜にして値を戻した。サウジアラビアがアジアの需要家に提供する価格を引き下げたことで、相場は弱含みで推移している。

水曜日のアジア株式市場は、日経平均株価が数十年ぶりの高値をつけ、2024年に向けて勢いのあるスタートを切ったことを除いては、ほとんどが控えめな動きで始まった。日経平均は数十年ぶりの高値をつけ、2024年のスタートを勢いよく切ったが、大半の市場は、重要な米インフレ統計を前に「様子見」モードだ。

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