NFPが20万人台を大きく上回る結果となった場合、FRBは次回会合で0.5%の利上げを実施するとの投資家の懸念が強まる可能性がある。1月の雇用統計(51.7万人)は、そのアップサイド・サプライズの大きさから、金融市場には依然として大きな反響を呼んでいる。実際、NFP(非農業部門雇用者数)の発表を控えた今日の市場の雰囲気は、「一度噛まれたら二度恥ずかしがる」ということわざが当てはまる。パウエルFRB議長は今週初め、インフレ抑制のためにより積極的な金融政策に踏み切る方針を示したが、トレーダーは次回のFOMCで50ベーシスポイントの引き上げが正当化されるかどうか、最新の雇用統計の結果を注視している。
ウォール街は木曜日のセッション中に急落し、金曜日にはアジアの主要株価指数がASX、日経平均株価、ハンセン指数を下回る結果となった。日本では本日、黒田総裁が最後の日銀会合を開き、中央銀行は(予想通り)現在の金融政策設定に変更はないと発表した。日銀は金融政策にハト派的なスタンスを再確認し、円の利回りに変化が見られないことから、USDJPYレートは本日、日銀の発表を受けて急上昇した。しかし、今週は200日移動平均線が頑強なテクニカル障壁となっており(下図)、円安が続くかどうかはまだわからない。今後のNFPに対する米国債と米ドルの反応次第である。
USDJPYチャート:
為替相場では、豪ドルは2月につけた心理的な0.70の水準からさらに遠ざかり、投資家からの支持を失ったままだ。現在、AUDUSDレートは0.66レベル以下で推移している。米雇用統計が堅調な結果となり、金利上昇懸念が高まれば、さらに下落する可能性がある。あるいは、米雇用統計が下振れした場合、市場はFRBの利上げ観測や景気後退懸念を後退させる可能性があり、豪ドルは最近の下げの勢いから解放されるかもしれない。
金相場は本日(アジア市場時間中)、米雇用統計という重要なイベント・リスクを前に、トレーダーが新規ポジションを取りたがらず、1830米ドル台で膠着している。米雇用統計が予想より軟調な結果となった場合、米ドルなどの高利回り資産から資金が流出する可能性があり、貴金属に有利に働く可能性がある。
全体として、市場は非農業部門雇用者数報告を控えて待機的な動きを見せており、その結果が来週に向けたトレーダーのリスク選好度を左右することになりそうだ。
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