市場は、米国のインフレ指標の発表を前に「静観」しており、どの程度の上振れサプライズがあれば、11月の利上げ観測に傾く可能性があることを承知している。エネルギーコスト上昇の影響は、8月消費者物価指数(CPI)の急上昇によって示される可能性が高い。インフレ率が一段高となれば、FRBだけでなく世界中の中央銀行が直面している課題、つまり、 インフレはタイミング悪く再び頭をもたげる可能性があることを浮き彫りにするだろう。
そのため、原油価格の上昇がヘッドラインインフレ率に影響を与えそうだ。おそらく、変動しやすい食品とエネルギーの影響を取り除いた コアCPIは 、いくらかの慰めを与えてくれるだろうが、もしコア・データが上昇するようなことがあれば、金利に影響を与える可能性があるため、市場は本当に緊張することになるだろう。今週はCPIに加えてPPIも発表される。従って、今週のインフレ・データには、11月のFOMCでの予想が大きく左右される可能性がある。
OPECと IEAによる楽観的な需要見通しと供給制約が価格を下支えしている。米消費者物価指数(CPI)が高水準となれば、金利上昇が需要を減退させるとの見方から、少なくとも原油相場の勢いを鈍らせる可能性がある。また、今週は力強い上昇を見せたが、テクニカル面では伸び過ぎの兆候が見られるため、原油相場が浅い下げに転じる可能性もなくはない。しかし、全体的に見れば、需給関係は原油市場がさらに上昇する可能性を示唆している。特に、OPEC+がいわば効果的に蛇口をコントロールしているのだから。
FXでは、週末に日銀の上田総裁が マイナス金利終了の可能性について発言したが、その影響は長続きせず、米ドルは対円で上昇した。しかし、DXYは依然として105円台を下回っており、市場は米国のインフレ統計を控えて様子見モードに入っている。インフレ・データの結果次第で、国債利回りと米ドルの方向性が決まるだろう。金もその一つである。米ドルの反発により、金は1922ドル付近のレジスタンスを割り込み、米インフレ・データで上方修正があれば、金は再び1900ドル以下に圧力を受ける可能性がある。逆に、エネルギー価格の影響がデータで懸念されたほど大きくない場合、利回りが低下し、金が上昇する可能性がある。
今のところ、市場が待ち望んでいるのは米国のインフレ・データだが、週後半には金曜日に発表される中国の経済指標が注目される。
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