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FRBを控えたリスク選好の動き

2023年9月20日

FRBが 政策決定会合でタカ派とハト派のどちらのレトリックを示すのか、投資家は確信が持てずにいる。金利の変更はないと予想されるものの、市場の注目はエネルギー価格の上昇を背景に提示されるフォワードガイダンスに集中するだろう。パウエル議長が原油価格の上昇に起因する インフレリスクの高まりを強調することを選択した場合、米ドルと国債利回りが最近の上昇幅を拡大する足がかりとなる可能性がある。しかし、もしFRBが原油価格の影響を無視し、11月の利上げの可能性を示唆するような発言がなければ、リスク資産が恩恵を受ける可能性が高い。

つまり、 FOMCに対する市場の反応という点では、原油価格の上昇がインフレ、ひいては金利見通しにとってどのような意味を持つかについてのFRBの見解に集約されることになるだろう。現在の高インフレの時代は「一過性」ではないことが証明されたため、原油が再び1バレル=100ドルの大台を目前にして、FRBが今回の上昇リスクをどう評価するかが注目される。

原油はFRB理事会を控え、最近の上昇に続く利益確定売りに押され軟調に推移している。水曜日のアジア取引時間中、WTIは0.4%安の90.10ドルとなった。しかし、サウジアラビアとロシアの減産が価格に意図したような上昇効果をもたらしていることから、供給力によって短期的な下値は限られそうだ。

中国は本日、1年物および5年物のLPR(貸出プライムレート)をそれぞれ3.45%および4.2%に据え置いた。先週発表された中国の小売売上高と鉱工業生産が堅調だったことから、当局はLPRを当面据え置くことができ、人民元安の進行も金利据え置き論に拍車をかけているようだ。

しかし、景気後退の谷はすでに訪れたと市場に確信させるには、中国からさらに好結果が続出する必要がある。先週の中国の楽観的な指標がルールではなく例外であることが証明されれば、年末までにさらなる金利緩和が必要になる可能性が高い。

そのほか、金は1930ドル台で推移しており、貴金属はFOMCがさらなる方向性を示す手がかりを待っている。国債利回りの強さが当面の金の上昇を制限しているため、金価格の次の方向性を決定するのは、FRBのレトリックに対する債券市場の反応となりそうだ。 債券利回りが16年ぶりの高水準に接近しているため、金の魅力は相対的に低下しているからだ。もし投資家がFRB会合から11月の利上げへの期待を高めて帰れば、金価格の下落に道を開く可能性がある。逆に、FRBのトーンが軟調になれば、金は1950ドルの方向に向かい始めるかもしれない。

全体として、FOMCを控えてレンジ相場が予想される。リスク資産は、金利がすでにピークに達している可能性を示唆するシグナルに反応するだろう。しかし、エネルギー価格が上昇していることから、FRBはインフレ率の上昇を 「警戒」する必要があるかもしれない。パウエル議長の発言を見守ろう。

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