ここ数日、トレーダーは多くのニュースを消化しなければならない。今週は、米国のインフレが緩和している一方で、FOMCは今年の景気後退を予想していることがわかった。しかし、世界的な株高とリスク資産の上昇を見る限り、市場はこの難問に対してコップ半分のアプローチをしているようだ。
消費者物価指数(CPI)の低下を受けて、米消費者物価指数(PPI)も低下した。そして重要なことは、コアPPI(食品とエネルギーを除く)も低下したことである。これらはすべて、現在の米利上げサイクルがピークに達しているか、あるいはピークに極めて近いことを示唆している。
トレーダーはFRBの景気後退警告よりも、より軟調なインフレ・データに注目しており、リスク資産が上昇する一方、米ドルは利回り見通しの再値下げを受けて急落した。FOMCは利上げの最終段階に近づいているが、世界中の中央銀行はまだ道半ばのようだ。
特にユーロは、ECBとFOMCの進路が明らかに分かれたことで、為替相場で際立ったパフォーマンスを見せた。EURUSDレートは現在、1.1050レベルを超えて1年ぶりの高値圏で取引されている。
オージー・ドルは、驚くほど堅調な雇用統計が通貨を押し上げ、0.68米ドル台が目前となった。ヘッドラインの数字は堅調だったが、もう少し掘り下げると、最も注目すべきは正規雇用の伸びだった。この堅調な雇用統計は、米ドルの下落や金価格の上昇と相まって、最近の取引セッションで豪ドルの運勢を好転させた。金曜のAUDUSDレートは0.6780で取引され、前日から1セント上昇した。
金相場は、米国の利回り低下とそれに伴うドル安を背景に輝き続けている。これは、歴史的な高値に接近し続けている貴金属の新たな上昇の動きとなった。スポット金価格は2045米ドルで取引された。一方、原油価格は利益確定の売りに押された。世界的な成長懸念が投資家にポジションを手放す理由となったが、米ドルの下落というシナリオは、現在の水準でも原油価格をいくらか下支えするはずだ。
ウォール街の好材料を受けて、アジア株式は本日(本稿執筆時点)、ほぼ全面高となった。しかしASX200は、木曜日に強い雇用統計が発表され、それが金利に影響を及ぼす可能性があることから、やや落ち着いた動きとなった。トレーダーは今後、米国の小売売上高(米国時間金曜日に発表予定)に注目し、リスク資産に対する買い戻しの動きが強まるかどうかを見極めたい。
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