方向性を模索するリスク資産

ミネアポリス連銀総裁の発言など）これまでのところ伝えられているのは、利下げはまだ先であり、FRBは政策緩和の開始を急いでいないということだ。そのため、この薄い経済カレンダーと、FRB高官から利下げが間近に迫っているわけではないという注意喚起により、市場は週半ばの時点で方向性をやや模索する状態となっている。  

外国為替市場では、国債利回りが低下したにもかかわらず米ドルは上昇し、ドルインデックス（DXY）は105ドル台を維持した。円安が米ドルおよびドルインデックスを押し上げた。米ドル円レートはここ数セッションで上昇に転じており、「円の弱気派」は、介入という観点から日本の当局者が特に関心を寄せていると思われる重要な160レベルに到達する前に、上値にはまだいくばくかの余地があると考えている。水曜日のアジア取引時間中、USDJPYレートは154.90レベル付近で取引されていた。

週明けの金相場は、軟調な米雇用統計と利上げ観測の後退を受け、2300ドル台を回復する好スタートを切った。債券利回りの低下は通常、金価格にとって好材料となるはずだが、これはグリーンバックの上昇によって打ち消されている。そのため、金は現在の水準で落ち着いており、次の上昇相場は米ドルが下げ止まってからになりそうだ。短期的には、2327ドルと2340ドルがレジスタンスとなり、2298ドルがサポートとなる。

停戦協議は原油価格からリスクプレミアムを奪い、WTIは80ドルを割り込んだ。停戦合意には至っていないものの、協議が続いているということは、緊張緩和を示唆するものであり、したがってエネルギー市場への供給リスクも緩和される。しかし、紛争の性質上、情勢や原油価格はいつでも再燃する可能性がある。WTI原油のサポートは76.95ドル、レジスタンスは80.05ドルである。  

今週は木曜日にイングランド銀行（BOE）の金融政策決定が予定されており、金利は5.25%に据え置かれると予想されているが、中央銀行が金利緩和の時期についてどのような手がかりを示すかが注目される。BOEのような中央銀行が利下げ環境に傾き始めている兆候は、リスク資産にとってプラスに働く可能性がある。