米国のインフレ率が軟調に推移したことは株式市場の耳に心地よく、投資家たちは、このサイクルの金利設定がすでにピークに達している可能性があるとの確信を深めた。米国のヘッドラインCPIとコアCPIはともに予想を下回り、トレーダーはFOMCによる追加利上げよりも2024年の利下げの可能性を考え始めた。
しかし、引き締めから緩めへの政策転換は時期尚早なのだろうか?この2年間でわかったことは、インフレの道筋は直線的ではないということだ。つまり、リスク資産に関する限り、CPIは今のところ正しい方向に向かっているが、第3四半期にエネルギー価格が上昇に転じたように、CPIは方向転換しやすい。そのため、インフレが今後どのように推移するかは、保証されたものではなく、むしろ期待されている。現在のトレンドが維持されれば、FRBは利上げを終了することになるが、それは依然として重要な「もし」である。FRBをはじめとする世界の中央銀行にとって、金利政策を策定する際には、データ依存性が依然として重要である。
軟調な消費者物価指数(CPI)発表を受けて株価が上昇する一方、債券利回りは利上げ観測の再強化を受けて反対方向に動いた。10年債利回りは4.5%台を割り込み、DXY(ドルインデックス)を引きずり込んだ。ユーロ、ポンド、オージー・ドルが対米ドルで堅調な上昇を記録した。
消費者物価指数(CPI)の発表は重要なイベントだったが、今週は市場を動かす可能性のある経済指標の発表はまだ終わっていない。この2つのデータがCPIと同じような結果となれば、株高/債券利回り低下というテーマが継続する可能性がある。しかし、今後発表されるマクロ指標で上方サプライズがあれば、現在のリスク選好の流れが弱まる可能性がある。
原油は低調に推移しており、WTIは依然として80ドルを下回る水準で取引されている。しかし、トレーダーは、OPECの需要見通しが妥当かどうかを見極める前に、さらなる中国の経済指標を待つことになる。特に、中東情勢の緊迫化に起因する供給懸念が後退した今、今後発表される米国の原油在庫統計が注目される。
アジア株式市場は、ウォール街の好基調に追随している。しかし、PPIと小売売上高のデータが、株式市場の浮かれムードが拡大するかどうかを決定する可能性がある。
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