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10月の米ドル反発

2024年10月16日

10月の米ドル反発は続いている。ドルインデックス(DXY)は今月約2.6%上昇し、ここ数週間の強力なマクロデータ(雇用統計やCPIデータが予想を上回るなど)を受けて金利期待が再測定されたことが要因となっている。ドルインデックスは先月、100ドル台を維持するのに苦労した。しかし、10月に入ってからドル相場がUターンした結果、FRBの追加利下げ観測が後退し、DXYは103ドルを超えて上昇した。この1週間で、複数のFRB高官が追加利下げに慎重な姿勢を示したことも、イールド・ディファレンシャルの観点から米ドルを下支えした。ECBは今週(木曜日)、4分の1ポイントの利下げを実施すると予想されている。

米ドルの上昇により、金市場の勢いは事実上鈍化し、貴金属は今月2600~2650ドルのレンジでの取引にむしろ慣れてきた。先週、金は国債利回りの上昇とドル高により売り圧力を受けたが、2600ドル付近のサポートレベルは維持された。この下げの浅さは、トレーダーが価格の下落を金の買い場と見ていることの表れと解釈されるかもしれない。

水曜日のアジア取引時間中、金は、米ドルが最近の高値からマイルドに緩和していることを利用し、2663ドルの中程度の抵抗レベルで推移していた。上値には、2678ドルの第二の抵抗線が待ち構えており、金が2700ドルを目指すには、これを突破する必要がある。しかし、安全資産としての需要が増えない場合、米ドルや国債利回りの引き下げが必要になるかもしれない(金と米ドルや国債利回りが連動して上昇するような状況)。金のサポート・レベルは2630ドルと2600ドルにあるようだ。

今月の原油市場はレンジ相場ではなく、WTI価格は12ドル近い値幅で推移している。イスラエルがイランの石油インフラを標的にせず、代わりに軍事目標を攻撃する可能性があるとの見方からリスクプレミアムが取り除かれ、原油価格は一晩で4%下落した。エネルギー市場の価格設定は依然としてヘッドラインに大きく左右されるため、支持線と抵抗線は大きな価格変動が見られることから、ある程度の関連性を失っている。一方、OPECは今年と来年の世界石油需要予測を下方修正したが、これも原油価格には好材料とはならなかった。全体として、原油市場は大きな値動きから取引機会を提供しているが、イスラエルの次の行動が不透明であるため、予測は難しい。イランの石油インフラが標的となれば、原油だけでなく世界市場に大きな影響を及ぼす可能性があるからだ。しかし、今のところは様子見だ。

今後、今週発表される米小売売上高は、今年残りのFRB理事会に対する市場の期待に影響を与える可能性がある。特に、何らかの上方サプライズがあれば、FRBの利上げ「スキップ」の可能性が高まる。その他では、金曜日にGDPや小売売上高を含む中国のマクロ・データが大量に発表される。最近の中国のインフレと貿易収支のデータは、経済のあまり良いイメージを描けていない(どちらも予想を下回る)。もしまた期待外れの中国データが出れば、具体的な財政政策が打ち出されない限り、中国に慎重な姿勢を崩さない投資家の忍耐力が試されることになるだろう。

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