今週はインフレ・ウォッチングが主役で、投資家はFRBが待ち望んでいた利下げがいつ実施されるかを見極めようと、最新の指標を咀嚼している。まずPPIが発表され、卸売業では予想を上回る好結果となった。4月のPPIは前月比0.5%上昇し、予想の0.3%上昇を上回った。しかし、ヘッドラインPPIのオーバーシュートは、3月分が-0.1%に下方修正されたため、いくらか緩和された。
しかし、今週のインフレ統計はまだ終わっていない。4月のCPIは、FRBが現在の金利水準をいつまで維持するかを見極める上で、より重要な意味を持つ。4月の消費者物価指数(CPI)は3.5%から3.4%(前年同月比)に緩和されると予想されているが、PPIデータが何らかの前触れであれば、消費者物価(CPI)が再び上昇しても不思議ではない。インフレはその性質上、非協力的であることが証明されており、インフレの方向が南ではなく北に動けば、9月までに何らかの金利緩和が行われるとの期待に一石を投じる可能性がある。
つまり、CPIが上振れすればリスク資産にとってハードルとなり、逆に下振れすれば、年内に少なくとも1回の利下げが実施されるとの期待が高まる(したがって、リスク資産にとってプラスとなる)。3月のPPIが下方修正されたことを受け、市場はCPIについても同様の微調整が行われないか注視している。
PPIデータに対する米ドルと国債利回りの反応が鈍かったため、金価格は穏やかに上昇した。水曜日のアジア取引時間中、金は2356ドル付近で取引されており、2365ドルと2372ドルのレジスタンスレベルを下回っている。ゴールドは2350ドルのすぐ上で統合モードに入っているが、今のところ貴金属は2400ドルに向かって上昇するのに必要な触媒を欠いている。消費者物価指数(CPI)の弱い結果は、その原因を助けるかもしれない。その反面、インフレデータが予想を上回った場合、金価格は下落する可能性がある。
FXでは、DXY(ドル指数)は105台にしがみついている。ドル相場の短期的な行方は、おそらく、今後発表される消費者物価指数(CPI)が、現在予想されている利下げスケジュールをどの程度変更するかにかかっている。その他では、(イスラエルとハマス間の)停戦協議が難航しているにもかかわらず、原油価格は低迷を続けている。WTI原油のサポートは76.60ドル、レジスタンスは79.90ドル。
今後、CPIに加え、米小売売上高と米エンパイア・ステート製造業景況指数の発表が予定されている。つまり、今週はFRBが予想する利下げスケジュールを左右する可能性のあるマクロ指標が多く発表されるということだ。
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