日々の市場分析

米ドルの下落が金と原油の上昇をもたらす

2023年7月12日

米国のインフレ率に関する次の指標を前に、グリーンバックは下落に転じた。今後発表される消費者物価指数(CPI)と購買力指数(PPI)は、FRBが何回の追加利上げを実施するのかについての予想を形成する上で重要な指標となる。ヘッドラインCPIは低下することが予想されるが、FRBの意思決定において最も重視されるのはコア指数であろう。  

最近のFRB高官の発言は、利上げサイクルが終わりに近づいていることを市場に想起させ、米ドル・ロング・ポジションの巻き戻しを促しているようだ。これを受けて、他通貨は苦戦する米ドルに対し、いち早く「干し草」にしており、英ポンド、ユーロ、豪ドル、円はすべて上昇に転じている。豪ドルは0.67米ドルの大台を突破し、世界の株式市場が活況を呈していることも追い風となっている。オージー・ドルがこの旧レジスタンス・レベルを維持できるかどうかは、インフレ指標が発表された後、米ドルがどのように反応するかにかかっている。  

先週のNFP統計が弱い結果となったことから、原油は堅調に推移しており、新たなドル安が進行したことで、WTIは75米ドル台まであと一歩のところまで迫っている。さらに、OPEC+の減産による影響が、価格上昇圧力という形でようやく現れ始めたようだ。しかし、原油は今週、中国の期待外れの最新データには一定の耐性を示したものの、世界第2位の経済大国である中国が今後も誤った方向へ向かうようであれば、原油価格が今後乗り越えるべき大きなハードルとなる可能性がある。  

米ドルの下落は金価格の上昇の道を開いた。ドル高と米国債利回りの高さの組み合わせが、先月から金価格を押し下げていた。しかし、米ドルの下落により、金は100日移動平均線を上回り1938米ドルとなり、次の抵抗線である1945米ドルのすぐ手前まで来ている。  

全体として、今週ここまでの米ドルの下落は、金の方向性を決定するのに役立っている。また、原油、豪ドル、ユーロ、ポンド、円への影響に関しても同じことが言える。そのため、今週は米国のインフレ指標が相場の鍵を握るだろう。そのため、金融資産はCPIとPPIのデータに米ドルと米国債利回りがどう反応するかを手がかりにするだろう。  

 

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