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世界のリスクバロメーターとしてのUSDJPYレート

2024年8月14日

金融市場において1週間は長い。先週8月5日の売り越しという災難に見舞われたスタートから一転、米国株は失った地合いを取り戻した。次に米消費者物価指数(CPI)が発表されるが、これがPPIに続くものであれば、9月のFRBによる積極的な利下げへの期待から、今週はさらに株価が上昇する可能性がある。

今のところ、次回のFRB会合では25ベーシスポイントか50ベーシスポイントの利下げが有力視されている。今後数週間のうちにマクロ・データに本格的な落ち込みが見られない限り、米中央銀行は市場にパニックの兆候を見せないよう、よりマイルドな4分の1ポイントの引き下げに傾くかもしれない。いずれにせよ、現在から9月のFOMCまでの間に発表される米国の主要データはすべて、待望の最初の利下げ(......このサイクルにおいて)の規模にどのような影響を与えるかというレンズを通して見られることになると言っていいだろう。

今回の日銀の利上げ(7月31日)の余波で、米ドル円レートは基本的に世界のリスクセンチメントのバロメーターとなっている。最近の米ドル円レートの急落(152円台から142円台への下落)は、キャリートレードの巻き戻しが市場に影響を与えたため、日経平均の暴落とその後の世界的な株安と重なった。その後、USDJPYレートの回復(147レベルへの回復)は、日経平均と世界の株式市場が立ち直るのと同時に起こっている。

では、なぜ大きく転換したのだろうか?先週、内田日銀副総裁は、日銀はボラティリティの高さを考慮し、すぐに再利上げを行うことはないと述べ、円キャリートレードの大量巻き戻しイベントを事実上停止させた。日銀副総裁のこの発言は世界市場を落ち着かせる効果があったため、先週のパニック売りを止めたことに感謝すべき人物を探すなら、日銀副総裁がリストの上位に入るだろう。

今週、米ドルの軟化と国債利回りの低下により、金は上昇を続けている。先週、2380-2390ドル近辺で強固なサポートを見つけた金は、来月のFOMCで予想される金融緩和を前に、今週再び上昇に転じた。水曜日のアジア取引時間の時点で、スポット金は2466ドルと見られ、サポートは2450ドルと2432ドルに位置し、レジスタンスは2478ドルに待ち構えている。

原油価格は火曜日に下落したものの、先週の安値からは8%上昇している。イスラエルとイランの間で緊張が高まっており、イランがどのような報復措置を取るか、またその後の行動が原油供給にどのような影響を与えるかを世界中が注視しているため、原油価格にリスクプレミアムが戻っている。中東の地政学的前線で次に何が起こるかわからないため、現在の原油市場を読むのは難しい。この地政学的ホットスポットであり産油地域である中東でエスカレートが見られるか、それともデエスカレーションが見られるかによって、原油が(米国産原油の)80ドル台のどちら側で取引されるかが短期的に決まるかもしれない。

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